入居当初に自宅から持ち込んだ衣類、その後に買い足したもの。
現在の母の状況に応じた衣類が、個室のクローゼット内に収まっています。
実家に残った衣類は、不要なものは少しずつ処分してきましたが、コロナ禍で実家へも行くことができなくなり、現在は片付けも滞っています。
親の家の片づけ 住まいブログ・テーマ
施設のクローゼット
施設によって収納設備は異なりますが、母が暮らす施設の個室には、引き戸のクローゼットがあります。
片側はハンガーが掛けられるポールが設置され、その上には棚があります。
もう一方は棚板が2枚あるフリースペースで、一番下には引き出しタイプのケースを入れて、タオルや下着類を収納しています。
こんな収納設備ですから、多くのものを持ち込めるわけではありません。
月日が経つに従い当初持ち込んだ衣類が傷んできたり、また病状の進行によって着るものが変化してきたりしました。
入居時には要介護3で、それまでどおりの好みのものを着ることが多かった母です。
今では要介護5で移動は車椅子ですから、介護しやすい服が多くなっています。
母の持ち物に対する父の思い
実家にはまだまだ母の衣類が多く残っています。
衣類だけでなく、母が使っていた多くのものが。
娘である私や妹たちが少しずつ処分をしてきましたが、父の拒絶反応もあって処分できないものもあります。
父の気持ちを想像しながら、無理のないように進めてきました。
片付けの中でハッとさせられた父の言葉があります。
「もう使わないよね」「もう要らないよね」といった私たちの言葉に対して
「『もう』って言うなよ!」と返ってきたことがあります。
施設で暮らしているからといって、母の存在をないがしろにしたつもりがありません。
でも父にとってはそう聞こえたのでしょう。
母のものがそばにあることで、父は母の存在を感じ続けていたいのかもしれません。
それ以来、母のものはタンスの一ヶ所にまとめて仕舞っておくようにしました。
かといって、父がそのタンスを開けるわけではないのですが、「処分していない」ということが父にとっては大事なことなのでしょう。
それはきっと「忘れていないよ。いつもそばにいるからね」という父の母への愛情なのだと思います。
私が処分できなかった母の持ち物
母のタンスを片付けているときに、「これは捨てられない・・・」と思ってそのままたたんで仕舞ったものがあります。
それは乳がんの手術後に使ったであろうと思われる下着類です。
母は25年程前に乳がんの手術をしています。
初期であったため、予後は良好でした。
本人も私たちにはあっけらかんと「脇をちょっと隠せば温泉だって大丈夫よ」と話していました。
が、その下着を見たときに、母なりの悩みや辛さがあったのだろうということが痛いほど伝わってきて、そっとそのまま仕舞うしかできませんでした。
今でもそのままにしてあります。
おわりに
持ち物にはその人の思いが込められています。
それだけでなく、家族を始め周囲の人の気持ちもそれぞれあるのだということを、親の家の片付けをとおして感じることができました。
その気持ちの濃淡や強弱はそれぞれ異なります。
だからこそ、捨てる、捨てない、あるいは捨てられないでもめることもあるのでしょう。
まもなく60代になる私は、そう遠くない将来に実家と義実家2つの親の家の片付けをしなければなりません。
親が生きているからこそ捨てられないもの、親が亡くなったからこそ捨てられないもの。
そんなことを感じ、考えながら、親の家の片付けをしていくのでしょう。
そして、息子とたちには私たち夫婦の住まいの片付けに煩わせることはしたくないと強く思い、我が家の片付けをこれからも細々とでも続けていかなければ・・・と思うのです。
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