義父のショートステイ の予定に合わせて、遠距離にある実家を訪問してきました。
グループホームにいる母に会い、一人暮らしをしている高齢の父の生活支援が主な目的です。

滞在中に父が着ていたジャケットがかなりくたびれてきていることに気づきました。
「ほかにも着るものはあるのだから、今シーズンで処分したらどう?」

私の言葉に対する父の返事は、「ものに対する思い」というものを考えさせられるものでした。


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高齢でも父には身ぎれいにしていてほしい


娘としては、どんなに高齢になっても父親には身ぎれいにしていてもらいたいと考えています。
それは私だけでなく、妹たちも同じ気持ちです。

そして認知症であっても、母もそう思っているようです。
グループホームを訪れた父の服装を直すこともありますし、お気に入りのスタッフに「うちのおじいちゃん、素敵でしょ」と言ったこともあるそうです。


くたびれたジャケットを父が着続ける理由・捨てない理由


父には10年ほど前に亡くなったひとつ違いの兄がいます。
娘の私や妹たちから見ても、それはそれは仲のよい兄弟。
私たち姪にもとても親しみのある伯父でした。

オシャレだった伯父が遺したたくさんの質のよい服。
父以外に体型に合う親族がいず、また父は大好きな兄の服ということで、数々の服を喜んで受け取ったそうです。

その中の1枚が、私が気づいたくたびれてきたジャケット。
父が着続けているのを見て、「もしかしたらそれは伯父ちゃんの?」と尋ねてみました。
ビンゴ!!

それなら処分する気持ちにはならないだろうと、合点がいきました。
大好きな兄の形見ですからね。
父にとっては形見というよりも、着ていることで共に生きていると感じているのではないかと。
そんなふうに感じます。


父の思いを尊重して捨てない


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父と伯父の関係をよく知っていますから、父の好きなようにしてもらうのが一番だと思っています。
もうこれ以上、このジャケットについては口をはさむのはよします。

思う存分着て、その後はきっと大事にしまっておくことでしょう。


捨てる、捨てないの基準は自分の中にある


片付けや断捨離について、様々な情報があります。
私もそんな本やブログを読んだり、テレビ番組の特集を見たりしてきました。

そしてたどり着いた私なりの考えは、「処分の基準はその人の生活スタイルにある」ということです。

片付けやものの処分の仕方にはある程度のルールがあり、それを基準にすると片付けがスムーズに進むことがあります。
でも片付けをしながら、自分にはそのルールが合わないと感じた方も多いのではないでしょうか。

「合わない」と感じるのは、自分自身のライフスタイルやものに対する考え方に合っていないからだと思われます。

本やマスメディアなどから得た情報は自分の中でしっかりと咀嚼した上で、合う形を見いだしていく必要があると感じています。


使わないけれど捨てないもの、着ないけれど捨てない服


私の家の中に、使わないけれど捨てないものや、着ないけれど捨てない服がいくつもあります。
そして、それらにはそれぞれの理由が存在します。

  • 長らく調律をしていないピアノ
  • 何年も出していない五月人形
  • 着なくなったダウンコート
  • 義母の留袖と帯
  • 義母に買ってもらったコート
等々

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まとめ


不要なものを処分して身軽に生きていきたい。
50代を迎えたころからの気持ちです。
自分自身が身軽になりたいと同時に、後々息子たちの手を煩わせたくないという思いもあります。

それでもものに込められた思いを大事にし、処分しきれないものが多々あるのも事実です。
ずっととっておくかもしれないし、時期が来れば思いが変わって処分するかもしれない。

どちらになるか今はわかりませんが、そのときまで思いを大事に抱えながら、使わなくても着なくても保管場所さえ確保できるならとっておきたい。
そんな気持ちでいます。

きっと父は最期まで伯父の形見となった衣類を大事にしていくことでしょう。

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